永生病院トップ > 医療安全と質の向上について > 病院機能評価について > 平成19年(2007年)更新 審査結果

病院機能評価について

平成19年(2007年)更新 審査結果

病院機能評価審査結果報告書 (平成19年度実施 財団法人日本医療機能評価機構)

総括

 貴院は昭和36年に21床の病院として開院され、地域ニーズ、医療・福祉の変遷に伴い先進的に増改築が行われてきた。平成11年からは現在の667床の一般・療養(医療保険・介護保険)・精神の複合病院として地域医療に貢献している。亜急性から慢性期のリハビリテーションを中心にした医療を提供し、在宅支援も積極的に展開している。

病院機能評価受審については2度目の更新であり、病院全体で意欲的に取り組まれており、熱意ある姿勢が見受けられた。現在病院施設の増改築中でもあり、今後も患者・家族や地域住民のため一層の発展が期待される

領域総括:病院組織の運営と地域における役割

 病院の理念・基本方針は地域の医療ニーズを反映しており、患者・家族、地域住民にもわかりやすい内容である。地域における役割・機能は明確であり、将来計画も適切に作成されている。医療の質を改善する組織的活動は、全部署に目標管理を導入し、病院全体で目標発表会を活発に開催し、進捗状況を評価、検討している。情報管理の体制は確立し、個人情報関連の規程も整備されている。医療活動や診療実績に関する情報が把握・整理され、院内LAN等で情報の共有化が図られている。
 関係法令の遵守については、感染対策委員会に関する委員会規約と構成員で不整合な部分が見受けられたので見直されたい。職員の教育・研修は必要性の高い課題中心に積極的に行われている。医療活動の改善活動はTQMセンターが各部署の業務改善の状況を把握し分析している。地域の医療機関、福祉施設等との連携は、総合支援室が主体的に担当している。健康祭り・院内学術集会・介護者講習会などの地域に向けた活動は積極的に行われている。広報活動については、広報誌の内容の見直しと、ホームページの定期的な更新について組織的に取り組まれたい。

領域総括:患者の権利と安全確保の体制

 患者の権利の方針は明確であり、課題についても倫理委員会で組織的に検討されている。患者の権利は、院内の適所に掲示され、入院案内にも掲載されている。職員は携帯用カードを所持し、スタッフミーティング、教育・研修でも周知に努めている。職業倫理および臨床における倫理は明文化されており、年間教育計画に基づき職員研修が行われている。患者-医療者のパートナーシップの強化に関しては、医療安全推進委員会で検討し、組織的に取り組まれている。説明と同意についての方針は明確に定められ、手順に沿って対応している。診療記録などの開示については、方針が明確であり、手順に沿って対応し、開示実績も認められる。
安全確保のための組織体制が確立し、教育・研修も適切に行われている。医療事故防止に関する方針、事故発生時の方針は明確に定められている。医療事故発生時の対応手順は明文化され、重大事故報告基準も別に作成されている。事故発生時の対応については、院内研修会、職場の勉強会で周知に努めている。
病院感染管理については感染対策委員会を中心に活動されている。マニュアルに沿って、病院感染予防に取り組んでいるが、感染情報の分析、評価には一層の工夫が望まれる。病院感染管理についての積極的に教育も行われ、職員への感染予防策も適切に実施されている。

領域総括:療養環境と患者サービス

 接遇と案内は、総合案内が配置され、担当者や責任者も紹介されている。病院の案内・掲示については、文字の大きさやレイアウトに工夫が望まれる。外来待ち時間は、調査に基づき予約制導入や電光掲示板案内で待つことへの苦痛緩和に努めている。相談機能については、パンフレットで窓口が紹介されているが、わかりやすい案内表示を工夫されたい。相談担当者は決められており、患者・家族の相談に柔軟に対応している。患者・家族の希望や意見、苦情への対応はサービス支援課が担当している。入院患者の満足度調査、入院時と退院時のアンケート調査を実施し、結果から職員の目標シートに反映させ、サービス改善に結びつけている。患者や面会者の利便性では、携帯電話の使用ルールへの配慮はあるが、電話の設置場所のプライバシーには一層の配慮が望まれる。院内のバリアフリーには努力されているが、一部では一層工夫されたい。入院患者のプライバシーの確保については、多床室のベッド間のスペースの狭い病棟もあり、個々の患者のプライバシーが保てるよう検討されたい。療養環境の整備の担当者は明確であり、院内の清掃は行き届いている。禁煙への取り組みは全館禁煙で徹底され、職員は敷地内禁煙に積極的に取り組んでいる。快適な療養環境については、順次改修・新築の工事が進められている。多床室の面積の差はあるが、病室や廊下に手作りの飾りや絵画が掛けられ、やすらぎへの配慮がなされている。ベッド、マットの安全性・清潔性は適切である。各病棟で、病棟機能に見合ったトイレ、浴室が用意され、安全性・清潔性が確保されている。

領域総括:診療の質の確保

 診療上の基本方針や目標は明確に定められている。診療および業務上の指針・手順は整備され、診療の管理責任体制が確立している。診療の質を改善するための検討会は開催されている。治療や研究会等の実績の記録、臨床指標の設定による質改善に向けた取り組みは、今後の充実が期待される。看護部門の理念・目標は明確であり、活動計画も定期的に評価されている。看護部門の責任体制は確立し、看護部長は病院運営会議に参加している。看護部門の教育・研修は計画的に実施されている。医師や多職種とのカンファレンスの開催、各種委員会への参加、研究発表会など看護の質向上のための仕組みは整えられている。薬剤部門の体制は確立し、各病棟に担当薬剤師を配置している。薬剤管理については、向精神薬やハイリスク薬剤についての保管・施錠管理について一層厳重に取り組まれたい。薬剤情報の提供は適切に行われている。臨床検査部門、画像診断部門、輸血・血液管理部門、手術・麻酔部門、中央滅菌材料室はおおむね適切に運営されている。栄養部門では、栄養ケア管理委員会、栄養回診など組織的な活動により患者の栄養改善に取り組んでいる。リハビリテーション部門は、方針と役割は明確であり、人員は十分に確保されている。また、充実した施設のもとで積極的な活動がされており、病院の診療機能に大きく貢献していることは高く評価される。図書室機能は確立し、職員はいつでも利用可能であり、文献検索の手続き、費用負担を病院が支援している。診療録管理部門は入院診療録についてもID番号による保管・管理を検討されたい。訪問サービスは、方針と役割が明確に定められ、併設クリニック在宅担当医師と訪問看護事業所が連携して訪問サービスを行っている。併設のクリニックで外来診療が行われ、適切に運営されている。

領域総括:看護の適切な提供

 病棟における診療・看護の基本方針や目標は明確であり、医師・看護師の役割と責任体制は確立している。病棟での倫理的問題になりやすい事柄は、各病棟で把握され、検討されている。入院の目標は明確に診療録に記載され、診療計画書も、多職種で作成したうえで、説明と同意に努めている。指示出し・指示受け・実施確認は手順に沿って安全確実に実施されている。アセスメント計画は多職種によるカンファレンスで検討され、患者の情報が共有されている。患者・家族の意見を反映した計画が立案され、計画の見直し、修正についても患者・家族に説明されている。基本的な身体ケアは患者の状況に応じてきめ細かく、安全に実施されている。服薬指導は活発に実施され、栄養管理、食事指導も適切に行われている。リハビリテーションは安全に専門職と連携して精力的に実施されている。身体抑制については手順に沿って安全に実施されているが、観察記録の記載法に関しては検討されたい。緊急時は対応手順に沿って対応し、研修・訓練が実施され、救急カートも適切に整備されている。終末期ケアは、患者・家族の意向を尊重し対応している。病院感染のリスクを低減させる具体的な感染対策を確実に実施している。記載された診療録・看護記録は評価を行い、本人にフィードバックしている。各病棟での廃棄物の処理は適切である。また、病棟における薬剤・機器の管理も適切である。

領域総括:病院運営管理の合理性

人事管理の体制は確立し、就業規則も整備されているが、医師の給与についても給与規程で明文化されたい。人事考課は、継続的に実施し、結果は本人に知らされ、昇格・昇進に活用されている。職員の労働安全衛生については、職員の健康診断の受診率の向上や非常勤医師の受診状況の把握に取り組まれたい。快適な職場環境が整備され、病院管理者と職員が労働条件などに関して話し合われている。財務・経営管理は、病院会計準則に基づいた会計処理が行われ、年次事業計画に基づき部門の意見を反映して予算書が作成されている。運営会議や課長会議で経営状態が分析され、それに対して経営改善につなげるよう努力している。医事業務がおおむね適切に行われているが、現金過不足処理方法については明文化されたい。病床管理は適切であり、病床を効率的に利用している。施設・設備の管理体制がおおむね確立しているが、医療ガス安全・管理委員会には、薬剤師の出席を促されたい。給食施設の設備の老朽化のため不適切な衛生管理状況であり、平成19年12月には改修が予定されているが、早急な改善が必要である。廃棄物の分別、梱包、搬送、バイオハザードマークの表示は適切であるが、最終処分地の確認が望まれる。物品管理は年2回以上の棚卸しが適切に実施されている。業務の委託に関する選定・管理は物品購入等選定委員会で検討され、委託業者に対しての教育も適切に実施されている。病院の危機管理への対応は、災害対応マニュアルが整備されている。食料品・医薬品は3日以上備蓄されている。災害時の非常用水として井戸水も確保されているが、大規模災害発生時には井水施設自体の損壊の危険もあり、井戸水以外の備蓄も検討されたい。保安体制は管理規程に沿って対応している。病院賠償責任保険に加入し、訴訟などが発生した場合の対応の仕組みも確立している。

領域総括:精神科に特有な病院機能

 精神科の外来診療機能はなく、地域の精神科救急事業にも対応していない。任意入院の管理では任意入院の基準は明文化されているが、患者本人の入院同意能力については、さらに詳細・的確に判断されたい。医療保護入院の管理では、告知について確実に記録されたい。精神科病棟は認知症対応であり、大半は合併症患者でもあり、入院中の処遇は適切である。職員採用時と年間教育で認知症患者の人権擁護について教育・研修が行われている。隔離および身体抑制は行わない方針であり、実際に全く行われていない。精神科リハビリテーションは、入院患者の特性に見合ったプログラムが専門職により積極的に実施されている。精神科における事務管理では、金銭を預かる場合は双務契約となる約定書を取り交し、適切に管理するよう改善されたい。精神障害者の身体合併症治療は院内他科や院外の医療機関連携し、適切に行われている。

領域総括:療養病床に特有な病院機能

 療養病床の受入れ方針は確立し、手順も明確であり、多職種による入院審査会で検討し、適切に対応している。高齢者の入院に際しても退院を見据えた目標設定を行い、家族との連携も適切である。高齢入院患者に対して人権、尊厳に配慮し丁寧に処遇している。なお、金銭を預かる場合には、双務契約となる約定書を取り交し、適切に管理するよう改善されたい。

<ケアプロセス>
 日常生活の自立を目指したチームアプローチが安全に行われている。在宅復帰に向けた課題について、多職種で検討し、ケアプロセスが適切に展開されている。嚥下機能の障害は的確に診断され、言語聴覚士や栄養士が関与し訓練が行われている。排泄機能障害、認知症、コミュニケーション障害などの原因が診断され、障害の程度についても評価され、個別のケア計画に基づき機能回復に努めている。廃用症候群予防、褥瘡予防、適切な水分管理に計画的に取り組んでいる。患者の日常生活の活性化を目的に面会や外泊等に配慮し、ボランティアと交流でレクリエーション、催しなど行っている。身の回りの清潔保持に配慮している口腔ケア、介助入浴、清拭を計画手に沿って実施している。